本尊

ご本尊とは

仏教寺院や仏壇などで中央に祀られる信仰の対象となるものです。
仏像や掛け軸を指すのが一般的ですが、書等もあります。故人やご先祖様を供養する際に、ご本尊を通して故人の冥福を祈り、またご先祖様に感謝の気持ちを伝えます。
故人を亡くした悲しみを癒し、ご先祖様から繋がりに感謝する対象がご本尊です。

宗派によるご本尊の違い

ご本尊は同じ仏教においても、宗派によって異なります。
仏壇には宗派にあったご本尊をお祀りします。

浄土宗・浄土真宗:阿弥陀如来
天台宗:釈迦如来といわれていますが、阿弥陀如来や観世音菩薩でも構わないといわれています。
真言宗:大日如来
臨済宗:釈迦如来
曹洞宗:釈迦如来
日蓮宗:大曼荼羅

ご本尊をお祀りする前に必要な事

ご本尊は仏壇の中央に置きますが、安置する前に菩提寺での「開眼供養」が必要です。
開眼供養を行い、魂入れをすることで初めて、ご本尊に魂が宿ります。
開眼供養のタイミングは一般的に四十九日法要の際に行う事が多い様です。
また、開眼供養の際に、僧侶に渡すお布施が必要となりますが、相場は3万円程です。

引っ越しの際には

ご本尊は業者に依頼せず、家族が運ぶのが基本です。また、地面に置かない様に気を付けましょう。
また、仏壇の引っ越しの際にはご位牌やご本尊の魂抜きと魂入れが必要になりますので、事前に菩提寺の僧侶に依頼しましょう。

掛軸

お仏壇に飾る宗派のご本尊や高僧を描いたもので、宗派によって種類が異なります。
掛け軸は仏像と同じ役割を持っており、信仰の中心となる仏様をご本尊と呼び中心に祀り、その両脇に脇侍という対の掛け軸を並べます。脇侍には各宗派で定められた祖師像を祀る場合もあります。

また、掛け軸では20代や50代といった『代』という言葉を用いますが、これは掛け軸のサイズの事を指します。20代をはじめ、30代、50代、60代、70代、100代、120代、150代、200代といったサイズがあります。その他にも豆代などのサイズがあります。あくまでも目安であり、同じ20代でもメーカーによって大きさが異なる事があるので注意が必要です。
各掛け軸に大きさが表示されていますので、それを参考に購入する事をお勧めします。

近年ではデザイン性 を重視 した「モダン仏壇 」にもマッチし、そのまま安置できる自立式のスタンド型掛け軸のご本尊も販売されています。

位牌

位牌とは

故人の魂が宿る場所で、仏壇にお祀りする仏具です。
位牌表面には、個人の戒名、没年月日(命日)が裏面には俗名と没年齢が記されています。よって、祀られている位牌が誰の魂であるのかが、すぐに把握出来る様になっています。
位牌は儒教にルーツがあるとされ、日本には鎌倉時代に伝わったとされています。
尚、一般家庭に普及したのは江戸時代ごろとされています。

位牌の種類

位牌は大きく分けて次の3種類があります。

白木位牌

仮位牌とも呼ばれ、四十九日法要まで祭壇にお祀りする位牌です。
文字通り、白木に故人の戒名、俗名、没年月日、享年を記します。
あくまでも、四十九日まで使用する仮の位牌となります。

本位牌

四十九日の忌明けを迎えた後に、「白木位牌」に代わり仏壇に祀られる位牌です。

漆塗りの「塗り位牌」と黒檀などで作られた唐木位牌などがあります。

多くの方がイメージする位牌はこの本位牌です。仏壇に安置される位牌ですので、しっかりと選びましょう。

寺位牌

お寺にお祀りするために作られる位牌です。
檀家が本位牌と別に寺位牌を祀る場合や、自宅に位牌を安置できない方、永代供養を望まれる方が『寺位牌』を利用します。

位牌の選び方

位牌はサイズも材質も様々。
仏壇のサイズやデザイン、ご本尊のサイズに合わせて選びましょう。
先祖の位牌がある場合は、先祖の位牌よりも少し小さいサイズを選ぶのが一般的ですが、大きな功績を残した方の位牌は先祖の位牌よりも大きくすることもあります。
また、ご本尊の高さよりも小さい位牌を選ぶのもポイントです。
近年、夫婦の位牌は同じ大きさの位牌を選ぶのが一般的ですが、一つの位牌に二人の戒名を連ねる事もあります。

尚、浄土真宗では位牌を原則祀りません。過去帳や法名軸が位牌の代りとなります。

位牌の文字入れ

メモリアルギャラリーでは、位牌の名入れを承っております。税込3,300円~ 。
位牌の種類や書体にもよりますが最短5日から2週間程度でのお渡しとなります。

法名軸

故人の没年月日と法名を記した掛け軸の事です。
浄土真宗の多くの宗派で位牌の代りとして用いられます。浄土真宗では故人は仏弟子となります。仏弟子は戒名ではなく法名を授かります。その法名を仏壇で祀るために法名軸を用います。

法名軸の種類

白紙に「金襴(きんらん)」や「緞子(どんす)」といった紋織物で掛け軸に仕立て上げられた物が多いです。

金襴:模様部分や地全体に金糸や金箔を使用して織られたもの。

緞子:たて糸とよこ糸を異なる色で織り上げた重厚感のある紋織物です。

宗派によって紋の柄が異なります。「小ちぎり」「雲桐」「大谷牡丹」「矢菱牡丹」などがあります。

法名軸の書き方

法名軸に法名を書き写す際は、仏具店若しくは手次寺にお願いしましょう。
菩提寺とは、本山と檀家の中間にある自身が所属するお寺の事をいいます。
菩提寺に頼む場合、法名軸が出来上がる期間は1週間から1か月です。四十九日までを目途に用意しましょう。また、菩提寺などに法名を頂く際には、お布施として3万円程度渡すことが多い様です。
一方で、仏具店に頼むと5千円程度で、比較的安く済みます。過去帳がある場合は、一緒に書き写してもらうと良いでしょう。


法名軸はどこに置く?

法名軸は仏壇の右側若しくは左側に掛けますが、右側には両親の法名軸を、左側には総法名軸を掛ける事が多い様です。その際、過去帳は法名軸よりも低い位置に、ご本尊は法名軸よりも高い位置にくるようにしましょう。